
まだ字を読むことや、ことばの意味をすべて理解することはできない赤ちゃんも、絵をじっと見つめたり、指差したり、読んでくれる人を見つめてその声に耳を澄ませたりと、赤ちゃんそれぞれの絵本の楽しみ方があります。「絵本を読む(read books)」のではなく、大好きな人と一緒に、その楽しいひとときを「分かち合う(share books)」…。そんなひとときを、ブックスタートを通してできるだけ早く届けたいからです。
絵本を開くとそこには絵があり、リズムのあることばがあふれ、赤ちゃんに語りかける要素がたくさんつまっています。絵本は、赤ちゃんと一緒にいる人が、赤ちゃんに優しい言葉で語りかけ、心を通わせるひとときを、ごく自然に作り出すことができるツールだからです。
保護者の中には、赤ちゃんと一緒に絵本を楽しむことに、もともと関心がある方も、そうでない方もいます。ブックスタートは、赤ちゃんの生まれた環境に関わらず、大好きな人と絵本を開く“きっかけ”を、すべての赤ちゃんと保護者のもとへ届けます。
絵本そのものをプレゼントすることで、どの家庭でも、すぐに絵本を開いて、赤ちゃんと楽しい時間をもつことができる具体的なきっかけをつくりたいからです。
絵本をただ配るだけでなく、保護者も一緒に、赤ちゃんの可愛い反応を見ながら、絵本を開く時間の楽しさを体験してもらうことが、家庭でもそうした時間をもつ一番のきっかけになるからです。またその体験を通して、“地域みんなで子育てを応援していますよ”という、あたたかいメッセージも伝わります。
図書館、保健センター、子育て支援センターやボランティアなど、様々な専門分野や立場の人たちが、「赤ちゃんの幸せを願う」気持ちを共有しながら、アイデアを出し合い協力することは、活動の充実や継続につながります。
1組1組の赤ちゃんと保護者に、絵本を開く時間の楽しさを体験してもらいながら、丁寧にパックを手渡すためには、会場づくりやパックの準備、手渡しに至るまで、多くの人の協力が必要です。
健診未受診者など、ブックスタートの実施機会に参加しなかった対象者へのアプローチを行う際には、特に母子保健や子育て支援の分野との関わりが重要になります。
ブックスタートの前後に、絵本・赤ちゃん・子育てをテーマにしたフォローアップ事業を開催したり、まちの施設を赤ちゃん連れでも利用しやすくしていくためには、様々な分野の関わりが必要です。
ブックスタートを継続していくためには、読書、母子保健、子育て支援やまちづくりなど、様々な分野からブックスタートが評価され、支持されることが重要です。また、地域住民がボランティアとして実際の取り組みに関わり、活動の意義を感じ、ブックスタートを支持してくれることは、事業継続の大きな力となります。