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応援メッセージ > 佐々木 邦明 【佐々木こどもクリニック 院長】

ブックスタート・ニュースレターNo.19より

佐々木こどもクリニック 院長 佐々木 邦明

待合室の絵本

 2000年に日本のブックスタートが産声を上げた頃、僕たち町の小児科医も「待合室の絵本」について話し合ってみようかと、ワークショップを始めました。扉を開けて待合室に出てみると、診察室とは違った親子の風景が見えます。初めての来院らしく不安そうに診療を待っている親子。ぐずる赤ちゃんを懸命にあやしているお母さん。大きな声で絵本の読みきかせを始めたお父さん。元気のない妹の様子を心配しているお兄ちゃん。待合室は家族の距離が近づく場所のようです。
   アンケートを取ってみると、小児科の待合室の97%には絵本が置いてあるそうです。親子が絵本と出会う大切な場でもあるのですね。ところが、小児科医が絵本のことをよく知っているかというと、そうでもないようです。絵本のことはスタッフにまかせている。とりあえず絵本だったら何でもいい。本屋さんに適当に送ってもらっている。町の小児科医は診療に追われて暇がないらしい。これでは待合室の絵本の意味がありません。
   小児科医の仲間たちに絵本の楽しさを伝えよう。そして、親子が絵本と出会う大切な場所として待合室をもう一度見直してもらおう。ワークショップから出た希望を実現するために、『小児科医が見つけたえほん、エホン、絵本』(医歯薬出版・2005年)を出版しました。幼稚園で読みきかせを始めた小児科医。自分で保育園を作ってしまった小児科医。劇団や父親バンドで活躍する小児科医。自分の絵本を作った小児科医。「お母さん、子育てのことが心配になったら、小児科医がそばにいるよ」というメッセージも込められています。
   すべての赤ちゃんが豊かなことばと愛情に包まれて育っていくことを支援するブックスタートは、町の小児科医が毎日やっている予防接種や乳児健診に似ているところがあります。予防接種や健康診断の目的も、すべての赤ちゃんが重い病気をしないですくすく育っていくことを応援することだからです。

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