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応援メッセージ > 脇 明子 【ノートルダム清心女子大学 教授】

ブックスタート・ニュースレターNo.10より

ノートルダム清心女子大学 教授 脇 明子

ブックスタートから見えてきた「読む力」

2000年6月、子ども読書年の第一回のイベントが岡山で開かれることになり、実行委員長をやれという話が降ってきたとき、私はずいぶん抵抗した。子どもたちの本離れの深刻さは大学生を見ていても明らかで、なんとかしなくてはという焦燥感は強かったが、それだけに、1日や2日のイベントでは焼け石に水でしかないと思ったのだ。

ふたをあけてみると、参加者は期待よりも多く、イベントは形の上ではまずまずの成功だった。しかし、私自身にとっての何よりの収穫は、イベントの運営のためにいらした「子ども読書年推進会議」の佐藤いづみさんと白井哲さんから、ブックスタートなるものの話をはじめてお聞きしたことだった。

最初私は、ブックスタートはなかなかよさそうだけれど、子どもたちが主として躓いているのは、絵本から物語へと進む段階においてであって、それにはほとんど効果がないだろうと考えていた。実際、子どもの本の関係者からは否定的な意見をお聞きすることも多く、それだけに「本当のところはどうなんだろうか」と興味を持ってなりゆきを見つめ、それまでは縁遠かった赤ちゃんの発達についても勉強し、メディア問題に取り組んでいる小児科医の方々などともコンタクトをとるようになった。

すると、いろんなことがおもしろいようにつながってきて、長年の懸案だった「自分はなぜ子どもたちに本を読んでほしいと思うのだろう」という難問が、するすると解けはじめた。おまけに、絵本にしても、物語の本にしても、どんな本が子どもにとっていいのかということまでが、うまく説明できるようになってきたのだ。

それをなんとか一冊の本にまとめ、『読む力は生きる力』と題して、半年ほど前に岩波書店から出版した。ブックスタートとの出会いがなかったら、こんなふうに問題を解くことはできなかっただろうと、深く感謝している。

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