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応援メッセージ > 皿田 美和子 【元東京都公立保育園研究会 会長】

ブックスタート・ニュースレターNo.5より

元東京都公立保育園研究会 会長 皿田 美和子

つばめの巣立ちに思う

梅雨の中休みのある朝、つばめの雛が巣立って行きました。丹精込めて作った巣の中で、雛が誕生したのは、もう半月も前だったでしょうか?親鳥が餌を運んでくると4羽の雛は、一斉に大きな口をあけ“ピッ!ピッ!”とか細い声で鳴く。親鳥は餌を与え“ぴちぃ!ぴちぃ!”と嬉しそうに応える。朝夕は忙しく、楽しげに語り合うそんな日々がつづき、灰色の産毛が黒色を帯び、上半身を巣の外に乗り出すようになって、雛の声は大きく賑やかになりました。やがて飛び立ちを促す親鳥の呼びかけに、誇らしげに羽を広げて降り立ち、心配そうに兄弟たちの飛び立つのを待っていた雛は、迎えに来てくれた、数羽のつばめが飛び交う輪の中に揃って仲間入りをし、外敵に襲われることも無く飛び立って行きました。

「人の人らしい健やかな心の基礎は、赤ちゃん時代に育てられる」と言われています。それは特別なことをするのではなくて、日々お世話をしている方(主にお母さん)やバイ・プレーヤー(父親 祖父母 兄弟 など)たちが、自然にやっていた赤ちゃんへの働きかけによって、育まれてきたことなのでしょう。しかしいま、家庭や家族の変化が、子どもの心を育てることにマイナスの影響があるのではと懸念され、さらには、テレビや器具に囲まれた生活のなかで、どう赤ちゃんに向かい合えばいいのか?と戸惑っている家庭も少なくありません。また働くお母さんにとって、赤ちゃんと向き合う時間が制約されるのも現実です。

ブックスタートは、そんな悩みに寄り添った活動でした。生まれて間もない運動ですが“赤ちゃんに絵本を贈ろう”と、地域の方々の協力を得てブックスタートを開始した自治体では、父親の育児参加が増えたとの嬉しい報告もよせられています。絵本を介して赤ちゃんに語りかけることの大切さも、徐々に浸透してきているようです。よちよち歩きを始めた赤ちゃんが、“ヨンデ!ヨンデ!”とお母さんのひざを独占したがったり、ふと振り返ると一人で絵本に見入っていたり、そんな時期を過ぎてやがて本が大好きで人とかかわることも大好きな子どもに成長していくようです。

つばめの親子の巣立ちは、自然界の営みが継承されていることを感じ、心温まる思いがしました。

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